1980年~90年にかけて、なぜか突如、ぼくの体内磁石の針が南へと振った。以降、数回にわたるぼくの東南アジアへの旅は、ただただ、容赦のない陽光と、突如のスコールと、湿気に閉ざされる夜気と、花と果実の甘い匂いと、そして、人々の喧噪の中に身を置いた。そして、シャッターを切った瞬時だけ、めくるめき熱帯を知覚した。南の町々での記憶は、ぼくの細胞と神経を濾して、フィルムにとどめられて在る。
來源: Google Book
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